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Archive : Erasure -Where Sound Becomes Archive-

Archive : Erasure -Where Sound Becomes Archive-

本作は、2025年1月1日から10月1日までに発行された『ニューヨーク・タイムズ』の記事を手がかりに、SNS上を漂う音声を収集し、それらを光へと変換して写真として定着させた作品である。インターネット上の音声は、保存されているように見えながらも、常に流動し、容易に消失してしまう不安定な存在である。

収集された音声は Max/MSP によって解析され、その振幅がデジタル信号として電球の光量を制御する。明滅する光は長時間露光によって撮影され、不可視で時間的な音の運動は、光の軌跡として写真の上に痕跡化される。

各作品は500×500mmのフレームとして構成され、写真とともに、音源を示すハッシュタグおよび音波形が感熱紙に印字されて配置されている。感熱紙に印刷された文字や像は、時間の経過とともに不可避に退色し、やがて消滅していく。そこには、比較的安定して保存される写真と、消失を前提とした感熱紙という、異なる時間性をもつ二つの記録媒体が同一のフレーム内に共存している。本作において額装は、インターネット上を漂っていた音を美術の制度的なアーカイブへと移し替える装置として機能する。しかしその内部には、保存と同時に消失が組み込まれており、アーカイブは決して完全な保存ではありえないことが示される。本作は、ネットワーク上の音、光、紙という異なるメディアを横断しながら、記録と忘却、保存と消滅がせめぎ合うその「あわい」を可視化する装置である。

Archive : Erasure  -Where Sound Becomes Archive-

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure -Where Sound Becomes Archive-
Archive : Erasure -Where Sound Becomes Archive-

Archive : Erasure  -Where Sound Becomes Archive-

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure  -Where Sound Becomes Archive-

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure -Where Sound Becomes Archive-

Erasure                  Archive

Sound

(Disappearance)

Light

(Transition)

Photograph/Thermal Paper

(Remaining / Fading)

An archive is always at risk of becoming its own erasure.

Media Flow

Long Exposure Photograph (Trace)

Photograph (remains) × Thermal Paper (fades)

NYT Text 

Frequent Words

Sound Scraping

Max/MSP Analysis

Python

Hue Light Modulation

A photograph is not evidence of what was, but a trace of what is disappearing.

Archive : Erasure – Sonic Trace

2026年3月、GALERIE WASSER にて開催された展覧会のオープニングパーティーでは、ライブパフォーマンス「Archive : Erasure – Sonic Trace」を同時開催した。

本パフォーマンスでは、Instagramなどのショート動画プラットフォーム上で、アルゴリズムによって私自身にパーソナライズされた映像をスクロールし続ける行為をiPhoneの画面録画によって記録し、その映像から抽出した複数の音声をライブミキシングして使用している。写真作品シリーズ「Archive : Erasure ~Where Sound Becomes Archive~」で用いたニューヨーク・タイムズの記事分析とは異なり、本作ではより個人的な関心や閲覧履歴、指先の動きといった身体的痕跡が、音を通して空間に露出する構造となっている。

混合された音声はリアルタイムに光へ変換され、その光は「不在の椅子」を照らし出すことで、流れ去っていく音に一時的な“在”を与える。同時に、音声は絶え間なく感熱紙へと波形として印字され続ける。

会場に展示された「Archive : Erasure ~Where Sound Becomes Archive~」の作品群に囲まれながら、鑑賞者は本シリーズのシステムを体感的に理解すると同時に、音と光によって生成される「保存」と「消失」のあいだに存在する感覚について思考することになる。また、本パフォーマンスの記録映像は展覧会期間中を通して上映された。

Archive : Erasure – Sonic Trace

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure – Sonic Trace
Archive : Erasure – Sonic Trace

Archive : Erasure – Sonic Trace

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure – Sonic Trace

GALERIE WASSER Berlin, Berlin Germany, 2026

Archive : Erasure – Sonic Trace

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